山形県尾花沢市の銀山温泉は、大正末期から昭和初期に建てられた旅館が銀山川の両岸に沿って軒を並べる歴史のある温泉街です。
かつて島根の石見銀山、兵庫の生野銀山とともに三大銀山と呼ばれた延沢銀山がこの地にあり、鉱夫が銀山川に温泉が湧いているのを発見したのが銀山温泉の始まりと言われております。
延沢銀山の銀採掘量の減少と1682年に発生した坑道の大崩落により廃山となって以降、延沢銀山周辺の人口は激減したものの、この地では銀の採掘に代わって湯治が盛んになり、現地の人々は湯屋を営むようになったとされています。
近代に入ると銀山川に沿って温泉宿が立ち並ぶ温泉街として栄えましたが、大正時代の大洪水により宿のほとんどが流され、また川の水が源泉に流れ込んだ事から銀山温泉の人気は下降しましたが、新たな源泉の採掘と新しい旅館の建築により再興したのだそうです。
昭和後期に放送されたNHKテレビ小説「おしん」の舞台となったことで一躍脚光を浴びると、大正時代から昭和にかけて建てられた木造旅館の温泉宿が立ち並ぶ温泉街として注目されるされるようになり、またジブリ映画「千と千尋の神隠し」のモデルとして噂が立つと、外国人観光客も訪れる程の温泉街として知られるようになりました。
現在温泉街の一部では隈研吾氏が設計した温泉宿があるものの、当時のたたずまいの風情を残したレトロモダンな温泉宿が立ち並ぶ風景と、ガス灯の温かい光が灯るノスタルジックな夜の温泉街が美しい事から、日本夜景遺産にも登録されています。
ジブリ映画「千と千尋の神隠し」のモデルについては、宮崎駿監督自身が「色々な温泉が入っていて特定のモデルはないけれど、道後温泉は確かに入っている」とし、江戸東京たてもの園の子宝湯と道後温泉からインスピレーションを受けていたのだそう。
その他の温泉街については、監督が特定のモデルはないという以上、正解ではないとの公式発表がされていますが、これらの温泉地に監督が訪れたことがあるのか否かについては分からないとも発表されています。
銀山温泉 – 大正浪漫の風情を感じるノスタルジックな温泉街の夜景 | 山形県尾花沢市

- コメント: 0
この記事へのコメントはありません。