秋田県東部に位置する田沢湖抱返り県立自然公園は、日本一の深さを誇る田沢湖や、玉川の流れが作り出した抱返り渓谷を領域とした自然公園です。
角館と共に秋田県仙北市を代表する観光名所であり、自然の豊かさと共に瑠璃色やパステルブルーの水面が美しい景観を作り上げています。
田沢湖/Lake Tazawa
たつこ姫伝説が残る田沢湖は、周囲20kmもあるほぼ円形の湖で、最大深度は日本一の深さを誇る423.4メートルとなっており、世界では17番目に深い湖となっている事から「日本のバイカル湖」とも呼ばれています。
かつてはクニマスが生息している日本で唯一の湖となっていましたが、湖水を食糧増産と電源開発計画として利用しようと、強酸性の源泉を含んだ玉川の水(玉川毒水)を田沢湖に流した事で水質は悪化し、クニマスは絶滅してしまいました。
1989年に玉川温泉の強酸性水を中和する施設を設置していますが、現在も湖全体の水質回復には至っておらず、山梨県の西湖で見つかったクニマスを田沢湖に戻す事業は進んでいません。
自然豊かな美しい風景と共に、湖水は瑠璃色や濃いブルーなど透明感のある独特で美しい色をしている事から、「田沢湖ブルー」とも呼ばれています。
抱返り渓谷/Dakigaeri Valley(Gorge)
東北の耶馬渓とも称される抱返り渓谷は、雄物川の支流である玉川中流に位置する景勝地で、全長は約10kmに達します。
大正15年に完成した秋田県最古の吊り橋である「神の岩橋」から眺める景色がとても美しく、パステルブルーの幻想的な水流と共に新緑や紅葉などの自然豊かな渓谷美を観賞できます。
かつては抱返り神社から神代ダム付近までの区間に遊歩道がありましたが、崩落等の危険性がある事から、現在は抱返り神社から回顧の滝までの1.4km区間しか開放されていません。
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