写真編集ソフト Adobe Photoshopのハイパスフィルターを使用して、解像感の無いボヤけた写真をとても簡単にクッキリとしたシャープな写真にレタッチするRAW現像テクニックをご紹介します。
Photoshopのハイパスフィルターを使ってシャープ感のある写真にレタッチする
ハイパスフィルターとは?
Adobe Photoshopのハイパスは、オーバーレイでハイパスフィルターを適用したレイヤーを重ねる事によって写真のディテールをクッキリと際立たせる事が出来る機能で、ぼやけた写真もシャープな画像に仕上げる事ができる素晴らしい機能です。
ハイパスのみを適用した写真がこちら。
画像全体がニュートラルグレーになって、かすかに被写体の輪郭部分が浮き出ているようにも見えるのですが、単一周波数から低周波情報を除去して高周波のみを透過させるフィルターであるようです。
実際の所は、どんな仕組みでこうなっているのかはわかりませんが、この画像をオーバーレイで重ねる事によって写真のディテールがクッキリとするという仕組みになっています。
この機能をどのように使用するかは、これから解説していきます。
手順1 LightroomからPhotoshopに画像を送る
Adobe Photoshopのみを使用してRAW現像するか、Lightroomで編集してPSDやTIFFで一旦保存しても良いです。余計なデータを増やさなくて済むのがLightroomの写真→他のツールで編集→Adobe Photoshop CC 201Xで編集をクリックまたはショートカットキー(Ctrl+E)で先に進んで自動的にPhotoshopにデータを送ります。
上の操作を行うと自動的にAdobe Photoshopが起動しますが、スペックの低いPCを使用していると時々エラーを起こして素直に起動しない時もありましたので、予めPhotoshopは先に立ち上げておいた方が良いでしょう。
手順2 Photoshopに読み込ませたレイヤーを複製する
Adobe Photoshopに読み込ませたレイヤーを複製します。上の画像のワークスペースではレイヤー0になっていますが、読み込ませたままでは背景となりますので、ハイパスフィルターを使用して完結する場合は背景のままでも構いません。
この段階までにノイズの除去や細部の仕上げをやっておかないと、ノイズのディテールまでクッキリとさせてしまう事があり、写真の粗さが余計に目立ってしまう事があるので気を付けて下さい。
複製をすると、レイヤー0とレイヤー0のコピーの2つのレイヤーが表示されます。この段階では、レイヤー0の上に全く同じ画像が重なっているだけなので、表示されている画像自体の見た目は何も変わりません。
手順3 描画モードをオーバーレイにしてハイパスを適用する
レイヤー0のコピーの上に表示されている通常という項目をオーバーレイに変更すると、表示されている画像全体のコントラストが高くなって表示されます。レイヤー0のコピーを消すか非表示にすれば元に戻せるのでこの段階では後戻りも出来るので心配ありません。
レイヤー0のコピーにハイパスフィルターを適用します。Photoshopのワークスペースでフィルター→その他→ハイパスと進めて行くと上の画像のような画面に変わりますが、最大でも適用する半径は5.0Pixelまでにしておいた方が良いでしょう。私の場合は通常3.0~4.0Pixelぐらいで、あまりシャープ感を出したくない場合は1.5~2.5Pixelぐらいで調整しています。
ハイパスを適用した右側の方がクッキリとしてシャープな画像に仕上がっているのがわかると思います。
木の幹や葉の一枚一枚をクッキリとさせたい時には、とても重宝する素晴らしい機能でしょう。
個人的にはシャープやアンシャープマスクをかけるよりも質感が硬くなりすぎず、自然な雰囲気を残したままに写真全体のシャープ感が増しているようにも感じますので、ほぼ全ての写真に使用しております。
ボヤけたように見える写真には対応できますが、過度なピンボケには全く効果が無い機能ですので撮影する際のフォーカスには注意しましょう!
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